率直に言うとストーリー・シナリオが良く出来ていて滅茶苦茶面白い。
どんな感じのゲーム?
十三機兵防衛圏がどういうゲームか簡単に説明すると、13人の少年少女たちが滅びの未来が待ち受ける世界で過去と未来へのタイムリープを繰り返し運命を変えていく、そんな感じのSF系のお話。
いわゆる群像劇なんだけど、時間軸や背景が違う13人の主人公がそれぞれの物語に複雑に絡んでくる。
正確にはタイムリープものではないんだけど、その辺を詳しく語ってしまうとネタバレになってしまうのでここでは控えます。
『十三機兵防衛圏』プロモーションムービー#04(先着購入特典追加Ver.)
追想編・究明編・崩壊編の3つのパートに分かれていて
機兵と呼ばれるロボットを操って怪獣と戦う崩壊編(戦闘パート)とそれぞれのキャラクターを操って探索や会話を行う追想編(アドベンチャーパート)のどちらかを選択してゲームをプレイする。
究明編はこれまでのストーリーやムービーが見れるモードで図鑑や資料集みたいな感じ。
アドベンチャーパート(追想編)では13人の立場や時代の違う主人公の内の一人を選んでストーリーを進めていく。基本的には戦闘よりこっちの群像劇の方がメインのゲームと考えた方が良い。
最終的には13人全ての主人公をプレイすることになるが、遊ぶ順番は自由になっている。
それぞれの主人公は自分の知りうる範囲でしかこの謎に満ちた世界を知らない為、ある主人公のストーリーでは意味不明だったことが他の主人公のパートをプレイすることでその理由が明らかになる等、登場人物同士が複雑にストーリーに絡んでいる。
複数のキャラを交互にプレイし各主人公のパートで断片的に語られる情報を集めていくことで少しづつ物語の核心に迫っていくといった感じだ。
これが非常に良く出来ていて先の展開が気になってしまいぶっ続けでプレイしてしまった。
とにかくシナリオが良くできている
謎が謎を呼ぶシナリオは本当に良くできている。面白いSF小説を飛んでいるときのように眠いにもかかわらず先が気になって何時間もプレイしてしまうくらいにはハマった。
各キャラをプレイすることで断片的に物語が明らかになってくるんだけど、プレイしながら登場人物の思惑や世界の秘密を考察するのも面白い。中~後半のどんでん返しへの持って行き方も秀逸。
この手のSF群像劇が好きな人は間違いなくハマると思う。
基本的にギャグ要素は少なめで終始シリアス、他作品でいうとシュタゲとか好きな人に向いてそうかな。あとガンパレとかマブラヴとか進撃の巨人とかぼくらのとか。系統的にはそんな感じ。
実をいうとまだクリアはしていないんだけど、ストーリーのボリュームは結構ある感じなのでその辺は心配しなくていいと思う。
戦略SLG部分はオマケ
まぁ、正直言うと戦闘パートはそんなに面白くはない。
派手な戦闘アニメーションがあったりするわけでもないので、最近のゲームとしては絵面が地味かな。
高評価は主にストーリー部分…アドベンチャーパートに対するものなのでロボットモノの戦略シミュレーションゲームとしての出来を期待して買うのは待ってほしい(あまりいないとは思うけど)
ゲームシステムは結構簡素な感じで昔プレイステーションで発売されていたガンパレードマーチの戦闘システムによく似ている。というか、たぶん意識しているんじゃないだろうか。
ストーリーを進めるには戦闘パートもやらなくてはならないが、あくまでアドベンチャーパートがメインでシミュレーション部分はオマケと考えた方がいい。
別に出来が悪いというというわけではないんだけど、フロントミッションみたいなものは期待しちゃダメ。本格的なロボット戦略シミュレーションゲームを期待して買うと肩透かしを食らうと思う。
世界観を彩る独特なグラフィック表現
ドラゴンズクラウンとかをやった人は分かると思うんだけど、あのヴァニラウェア特有の2Dのアナログっぽい表現が物語の雰囲気とマッチしていて最高。
夕日の表現とか特に水彩っぽい表現で描かれたちょっとノスタルジックな昭和感が秀逸。
他作品のオマージュが所々に
まどマギとかターミネーターとか有名作品のオマージュが所々に入っていてクスっとしてしまう。
特に薬師寺恵という少女のパートで未来で死んでしまう好きな男を救うために過去にタイムリープして魔法を使う猫(実際には科学の産物)と契約する話があるんだけど、めっちゃほむらとキュゥべえしてて笑ってしまった。
十三機兵防衛圏ちょっとお値段は張るけど、ストーリーが気になっている方は本当に面白いのでぜひ買ってみて確かめてほしい。