ヤングブラックジャックは漫画原作のブラックジャックがダークサイドの無免許医師に堕ちるまでの医学生時代を描いたスピンオフの物語です。
ヤングブラックジャックに登場する間黒男(後のブラックジャック)は正義感に燃える熱い男として描かれていて、一応、友人も居たりします。
3話のストーリーは平和運動家が匿っていたベトナム戦争の脱走兵の脳浮腫を間黒男(ハザマ・クロオ)が治療するお話です。
やたら上から目線で偉そうにしゃべる平和運動家の青山が印象的な回ですね。
2話での間の卓越した医療技術を目にした医大の先輩・岡本がその秘密を探るべく間黒男のアパートに遊びに来ることから物語が始まります。
たぶん、ヒロインポジションの岡本先輩
まだスレていない頃のBJ
間のアパートの隣室から謎のうめき声が聞こえるため、様子を見に行った二人が目にしたものは頭を抱え苦しむアメリカ兵の姿でした。
何故、アパートに米兵が居るのかというと、ベトナム戦争から逃れてきた脱走兵を日本の反戦運動家が匿っているからだそう。
活動家の青山、田村が所属する反戦団体の名前はベ由連(現実に過去存在したベトナムに平和を!市民連合、(通称:ベ平連)がモデルと思われる)
間は病院に連絡して救急車を呼ぼうと提案しますが、そんなことをすれば脱走兵を匿っていることがバレると、ベ由連のメンバーは間の提案を拒否します。
仕方なく、実家が産婦人科だという反戦活動家・田村(男の方)の病院に運ぼうと提案しますが、田村は反戦活動をしていることがバレたら親に勘当されると拒否します。
(そんな覚悟で左翼運動に参加するなよ…(´・ω・`)
しかし、リーダー格の反戦活動家・青山(女の方)が半ば強引に田村を説得し、田村の病院へ運ぶことになります。
そこで間が脳圧を測り、脳浮腫ではないかと診断します。
医者でないと手術はできないと、救急車を呼ぼうとします。
しかし、青山は救急車を呼ばれては脱走兵を匿っていることが発覚してしまうと反対します。
そして…
「なら、手術はお前がやれ」
人に物を頼む態度じゃないでしょw
「ムチャを言うな!」と救急車を呼ぼうとする間に「金がほしいのか?」等と挑発。
高圧的な態度で無理難題を押し付ける平和運動家に辟易する間…
平和を標榜するその一方で拳銃を間に向け脅すなどやりたい放題です。
「あんた達のボランティア精神は否定しないが、それを他人に強制するな!」と間は激怒し、拳銃での脅しには屈せず静止を振り切り病室を後にします。
間に救急車を呼ばれそうになった平和運動家・青山達は警察やアメリカ軍に発覚することを恐れ患者を移動させようとしますが、脳浮腫の患者を下手に動かせば症状が悪化し確実に死亡します。
間はこのまま患者を見捨てて良いものか良心の狭間で揺れます。ハザマだけに。
結局、救急車を呼ばず病室に戻ってきた間に青山は言います。
「私の言葉を聞いて僅かに残っていた良心が目覚めたか」
「お前も分かっただろう?」
「大事なのは金や名誉などではない」
「世界に正義をもたらす大義と行動だ」
ドヤッ!
目が完全にイッちゃってます(´・ω・`)コイツ凄いムカつくぜ!
せっかく戻ってきてくれたんだから、余計な事を言わなければいいのに、黙って聞いていたブラックジャックもついにブチ切れ、男女平等パンチで青山の顔面をぶん殴ります。
「自分勝手なクズどもが!」
「それ以上なにか喋ってみろ!二度とその口を開けないようにしてやる!」
勝ち気な青山は逆ギレして拳銃を向けるかのと思いましたが…
何とも意外な反応…
「そんな言い方って…」
「私は…間違っていない…私は正しい…」
うなだれた様子でブツブツと自己弁護をします。
これまでの上から目線&強気な発言から意外な反応ですが、
実のところ自分達の行動の矛盾に薄々気がついていて、自分の醜さを認めたくないために見ないふりをしていたけど、間に痛いところを突かれて嫌でも気付かされてしまった。そんな心理でしょうか。
彼女にも良心は残っていたのでしょう。
ちなみに、彼女は原作2巻(現実の山岳ベース事件がモデルと思われる話)の中で再登場します。
その時の彼女の言動を見る限りは愚かなだけで根は悪い人間ではなさそうです。
青山が殴られるのを見た田村の「ぼ…僕は間さんに感謝していますよ!」という日和った反応がいかにも小物っぽくて良かったです。
この後、間は無事に手術を成功させるのですが、手術から目覚めた白人脱走兵に黒人の脱走兵が医学生が手術をしてくれたと状況を説明すると、
感謝をするどころか「テメェ、俺を殺す気か!」と激怒します。
実は脱走兵と思われた白人男性は(本当の)脱走兵の動向を探るために潜入していたCIAの工作員だったのです。
その後、ただの医学生とは思えない見事な手術の手腕から何処かの勢力の工作員と疑われた間黒男は警察に捕まりますが、無関係とわかりすぐに釈放されます。
その後、本物の脱走兵であった黒人男性は戦死者の多い激戦区へ再び飛ばされてしまいます。
誰にも感謝されない、誰も救われない何ともやりきれないラストでした。
余談ですが、反戦活動家の青山は可愛い見た目と殴られた後のギャップからか、2ch等で意外と人気があるようです(´>ω・`)
ヤングブラックジャックは手塚治虫の原作より政治色が強く、左翼運動家の現実や学生運動、ベトナム戦争など当時の昭和の出来事がリアルに描かれています。
ややグロな手塚治虫の原作より手術シーンが少ないので人体系のグロの苦手な方も普通に見れると思います。
今期の問題作、なかなか面白いオススメのアニメです。一度見てみてはいかがでしょうか。